
「判型と本文書体」に加えて「余白」が決まれば,行数と行文字数はおのずから決まります.余白には何も情報がありませんが,“何もない”部分も読みやすさには重要な要素です.
読者の視線を段落に向けるには,「段落前後の適度な空き」と「段落始まりの1字下げ」が必要です.「段落前後の適度な空き」とは,行間に 追加する「0.5行未満の空き」です.
ページの余白と同様に,「空き」があるからこそ段落に視線が向きます.また,1字下げによって「1字分の空白」があるからこそ,段落の始まりに視線が向きます.
メールの利用が進むにつれ,ワープロ文書で「段落始まりの1字下げ」をしない習慣が見られるようになりました.ほぼ1文ごとに改行するメールでは1字下げはさほど意味がありませんが,ワープロ文書では1字下げを使うのが適切です.

不要にページの余白を小さくせず,20〜30mm程度に設定するのが適当です.余白を小さくし過ぎると,かえって段落あるいは図・表などに視線が向きづらくなります.
視線は,「余白」と「余白以外」の“力関係”で動きます.余白(情報がない部分)がある程度あるからこそ,段落など(情報がある部分)に視線が向きます.
余白が小さいと段落など(情報がある部分)に視線は向いても,その中で視線が“散漫”になりがちです.
しばしば,1ページの文字数を増やす目的で行数あるいは行文字数を多くとり,余白を極端に小さくしている例を見かけますが,読み疲れにつながります.
「1ページと数行」の文書を1ページに調整する場合ならばうなづけますが,数十ページにわたって余白が小さい文書を読者に提供するのは避けるべきです.せっかくの文書も集中して読んでもらえない場合があります.

両面印刷にする横書きの文書(左開き)では,右が奇数ページ,左が偶数ページです.
しばしば,表紙裏をページ1にしている文書を見かけます.本来は,表紙の表と裏にはページ番号を付けません.ページ数が少ない両面印刷の文書ならば,表紙をページ1(表紙裏がページ2)としても不自然ではありません.

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