
「 視覚によっていかに認知されるか」も,読みやすい文書あるいはわかりやすい文書のポイントです.書式のわずかな違いで文書の読みやすさは変わります.読みやすいワープロ文書のレイアウトとは,統一性があるとともに文書を構成するそれぞれの要素に視線が適切に誘導される文書書式と言えます.
文書の読みやすさは,「文字の大きさ」に加え「読む・見る部分(段落および図・表など)とそれ以外の部分(余白)とのバランス(つりあい)」 とも言えます.
人の視野・視覚(体形を含む)および文書を扱う習慣から,実務文書ではこれらになじむ「文書の判型(代表的なA4判)」と「文字の大きさ(代表的な10ポイント)」の組合せが定着しています.
判型と文字の大きさが決まれば,執筆者が選択できる文書書式は「“余白”の扱い方」と「基準になる文字以外の箇所(表題,見出し,注記など)の表し方」です.

媒体が紙であれ画面であれ,基本的な文書書式の違いはありません.「印刷文書の読みやすさが何によるのか」を把握しておけば,電子文書に も応用できます.
「読む」という基本行為は,印刷文書も電子文書も同じです.印刷文書の手法とは別個に電子文書の読みやすさがあると考えると,問題の取り違えが起きます.
むしろ,ワープロが普及して数十年たちますが,「文書書式の設定を読みやさにつなげていないワープロ文書」をよく見かけます(例:不要に狭めた行間あるいは広げた行間).
ただし,印刷文書がもつ“自然な読みやすさ”に対し,後発である電子文書には表示領域および解像度の点で印刷文書に及ばない部分があり, 文書書式にこれらを考慮する必要があります.
印刷文書では読みやすい明朝体も, 解像度の点でHTML文書には不向きです.また,文字の大きさも印刷文書の10ポイントに対し,HTML文書では12ポイント程度を標準にする必要があります.
逆に,印刷文書ではコストの都合で色文字をさほど用いませんが,電子文書では効果的に用いることができます.

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