

企業にとっての「文書作成」
−利益の獲得と喪失を分かつ「重要な企業力の一つ」−
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「企業の文書は、企業利益、企業評価および企業効率と密接に関係している」と言えます。もちろん、企業利益は製品・サービスの対価であり、企業評価、企業効率は組織および社員の行動の総合的な結果です。しかし、企業活動では文書の良し悪しが企業活動の成否にかかわる場合がありますし、文書作成時間の短縮は企業にとって重要な課題です。「文書作成の効率化」と「文書品質の向上」は、企業効率の改善とともに企業利益・企業評価の獲得につながる企業力と言えます。
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文書が「企業効率」に及ぼす影響
文書を作成しても、「要点が伝わらない文書」では執筆者が「文書の作成に要した時間」も読者が「文書を読む時間」もむだになりかねません。企業効率の低下と言えます。さらに、時間を要しただけでなく一つの文書が多くの読者に誤解を与えてしまっては取り返しがつかなくなるおそれもあります。

文書が「企業利益」および「企業評価(あるいは企業の危機管理)」に及ぼす影響
企業活動には、「積み重ね」の一面があります。過去の事例あるいは社員のノウハウが文書によって蓄積され、その結果がさまざまな改善に活かされ、さらには革新につながると言えます。たとえ事例やノウハウを文書で残しても「情報をまとめただけで要点に欠ける文書」では有効な情報にはならず、実質的にはノウハウの喪失であり企業利益の喪失にもなりかねません。
社内だけならまだしも、「誤解を与えかねない文書」が社外に渡ってしまっては企業評価の低下につながりかねません。さらには、対外的信用の喪失につながるおそれもあります。
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たとえば、製品に発生した障害の原因と対策を納品先に伝える報告書を作成したとします。いかに誠意をこめて報告書を作成し誤字脱字を見直しても、曖昧あるいは冗長な表現が多くかつ要点が遠まわしな段落構成では傍観的で責任回避ともとられかねません。さらに、基本的なチェックに欠けている文書(例:同じ語がある箇所では漢字書きされ、別な箇所でひらがな書きされている)では、製品はおろか企業としての品格を問われかねません。
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また、いかに高機能の製品であっても、それを解説するマニュアルがわかりづらくては有効に使われないおそれがあります。マニュアルに書かれてあっても読者はサポート窓口に質問を寄せ、企業側はその対応に多くの時間や労力を要しかねません。
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