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前セクションまでの要点は,執筆者には『主語であるか否かにかかわらず,表そうとする文の「中心事項(主題,主体,対象など)」に“とりあえず”「は」 あるいは「が」を付けて書き始める傾向』があり,それが不自然な文構造の原因になりうることにつきます. |
「は(係助詞)」あるいは「が(格助詞)」 は,いずれも主語に付くとともに選別・強調の意を含む助詞です.ところが,「いくつかある主題(あるいは主体,対象)から一つを選別・強調する用い方」に“偏りすぎ”てしまい,主語と述語の関係があいまいな文に陥っている例を見かけます.その典型が,1文に「は」と「が」が出てくるが「は」に対応する述語がない(あるいは「は」,「が」がいずれも述語 に対応しない)通称「-は-が文」です.
「-は-が文」 には,さまざまな形態があります.その多くは冒頭の「は」に対応する述語がない(あるいは述語がないようにとられやすい)文体です.『例:象は鼻が長い(象の他の部分は短い?)⇒(他の動物に比べ)象の鼻は長い 』,『鹿は角がある(角がある動物は必ず鹿?)⇒(外見の特徴として)鹿には角がある』
係助詞「は」は,述語に“係る(かかる)”からこそ係助詞といえます.文頭で「**は」とされたまま対応する述語がない文は,違和感の原因になります.「**は」を主語と位置付けるならば述語との対応をはかる必要がありますし,主語でなければ 別の位置付け(文の主題あるいは主題の一部もしくは目的語など)に見直してみるのが適当です.
[当社出張開催形式セミナー 「技術文書の1stステップ」から抜粋]
「主題」となるべき語を「は」 と取り立て読者に主語ととられてしまう例とともに,「対象(目的語)」 となるべき語を「は」で取り立て“本来の意とは異なり,排他的に強調・選別しているととれてしまう”例があります.技術文書で いくつかの並列な対象のうちの一つを「**は」で不要に選別・強調すると,「**は」とされた以外は対象外あるいは逆の位置付けと誤解されかねない場合があります.
目的語に位置付けるならば,「**を」として選別・強調しているととられない表し方が適当と言えます.
選別・強調の意で「**は」 を用いるならば,段落で先に述べた文の補足として“並列の対象から一つをとくに選別する使い方(第1文でいくつかを並列にあげ,第2文以降で特定の対象を「は」で取り立てて補足する)”にとどめるのが適当と言えます.
[当社出張開催形式セミナー 「わかりやすいマニュアルの作成手法−取扱いマニュアル編−」から抜粋]
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