

「技術者が得意な方法」で取り組む
−「技術者は文書作成が苦手」の“迷信”に終止符を打つ
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「論理的かつ柔軟に技術課題を解決されている技術者の皆さんこそ文書作成が得意」と確信しています。適切な取組み方を知れば、技術文書の作成も負担ではなくなります。
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テクニカルライティングで課題を解決する
技術課題を解決する場合と同様に、技術文書の作成にも基本となる知識や手法が欠かせません。テクニカルライティングとは、技術文書を作成するための知識と手法の体系です。
テクニカルライティングは、「文章の書き方」
をはじめ「見出し構成の考え方」、「見やすい図・表の作り方」さらには「用語の使い方」、「書式の選び方」など
わかりやすい技術文書の作成に必要な基礎知識と応用手法で構成されています。テクニカルライティングによって、文書作成の効率化と文書品質の向上の両立を図るとともに
、文書作成による知的生産を「企業力」に結びつけるまでを目標としています。

テクニカルライティングは、エンジニアリングの一つと言えます。企業の技術者の皆さんに共通して身につけていただきたい基礎技術です。断片的な知識に基づいた習慣で技術文書を作成をしているならば、技術者個人としても企業としても大きな損失です。
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的確に伝わらない報告書によって業務に支障きたしている事例が数多くあります。また、もれや不明確な記述がある機能仕様書によって開発に遅れやロスコストが発生した事例をよく耳にします。さらには、不明確なマニュアルが原因で顧客対応に不要な時間と人員を要しただけでなく顧客満足度の低下をきたしている事例も多々あります。
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生産工学の基礎なくして生産の効率化につながる論理的な手法が生まれないのと同じく、文書作成の効率化にはその基礎となるテクニカルライティングが欠かせません。個々の書き手の経験や資質に依存する文書作成では、貴重な時間を浪費するばかりです。
苦手意識の元凶を知り、テクニカルライティングで苦手を得意に変える
もし、文書作成が苦手と考えておられるのならば、これまでに文書を書くための知識と手法を体系的に知る機会はあったか否かを思い起こしてみてください。断片的な知識や経験だけで文書作成に臨んできたのが苦手意識の原因かもしれません。
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学生時代にレポートや卒論の書き方の指導を受けた経験があると思います。しかし、企業で上司から求められる報告書を的確に書けているでしょうか。機能仕様書やマニュアルに至っては、前例をそのまま「雛型」にしただけの書き方をしていないでしょうか。
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上司として技術文書を校閲する立場ならば、部下に対して適切な書き方の指導ができているでしょうか。「わかりづらい」と指摘するだけで、「なぜわかりづらいのか」を明確にして適切な改善方法を示せているでしょうか。
「今さら技術文書の基本を学び直すなど大変」と思う必要はありません。これまでの知識を整理し、必要な知識を補完するだけですみます。何がわかりやすさの基本となるかを確認すれば、さまざまな技術文書を的確かつ効率的に作成する手法が身につきます。
技術文書で知的財産を生産する
企業にとって文書作成は知的生産の要です。技術文書は、まぎれもなく企業の成果物であり知的財産です。また、文書作成の効率化は、そのまま業務の効率化につながります。さらに、文書品質の向上は、製品品質の向上や顧客満足度の向上にもつながります。
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「技術の企業に文書作成は重要だろうか」という話をよく聞きます。的確に伝わらない技術文書の作成に時間を費やしているのならば、確かに無駄です。しかし、知的財産と言える技術文書を効率よく作成しているならば、無駄ではなく企業に益をもたらす知的生産です。
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文書作成業務の改善に際して、定型化や電子化などをお考えになるかもしれません。しかし、それらは一つの手法にすぎません。手法を構築するための基礎を知らないまま導入を進めてしまうのは極めて危うい判断です。誤った方向に舵を切ってしまうと、取り返しがつかない事態になりかねません。定型化や電子化に傾倒して本当に「書けない」、「伝わらない」は解決するのかどうか、よく考えてみる必要があります。
開発や生産にかかわらず「企業力」を高めるには、企業全体の知力の向上が欠かせません。文書作成を知的生産ととらえるならば、テクニカルライティングによる「知的底上げ」が正しい筋道と言えます。

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<当コーナーの主旨とご閲覧にあたってのお願い>
当コーナーは、当社のテクニカルライティング研修コース(出張開催セミナー)の抜粋・プレビュー版です。
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当コーナーの内容を各種の文書作成の参考にしていただくことは作者の意とするところであり、これが皆様のお役に立てば誠に幸いです。ただし、内容の一部あるいは全部の転載(他のWebサイトや他の出版物、等に収録・再配布する)
および当著作物の二次使用を禁じます。
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また、上記の主旨より当コーナーはご覧いただいた方々に議論を呈することを目的としておりません。当社セミナーの開催に関するお問合せ以外には、お答えいたしかねる場合がありますのであらかじめご了承ください。
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テクニカルライティングセミナー(出張開催形式)「技術の1stステップ」、「(同)+技術メール編」、「(同)+ビジネス文書編」では、要点が明確な技術文書を作成するための共通基礎と手法を事例中心で解説します。 |
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技術文書の書き方−テクニカルライティングセミナー わかりやすい技術文書の作成手法−
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