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同じ製品を対象にしていても,機能仕様書は「開発者間での仕様の共有」が目的の定型を基本とした文書であるに対し,製品解説あるいはマニュアルは「ユーザにとっての製品の理解」を目的とした文書です.見出し構成を考える際の開発側の論理で構成するのではなく,ユーザの 視点で構成する必要があります.
製品解説あるいはマニュアルは,上位の見出しランクで“ユーザが知りたい”事項が見つかる“見通し”がよい見出し構成である必要があります.不要に階層化すると,読者が必要とする事項を見つけにくいばかりか,読者が知らなければならない重要な事項が見落とされるおそれがあります.
「 文書を手に取りパラパラとめくって大きめの文字で表された節見出しを見て行く」だけで知りたい事項がすぐに見つかるイメージです.反対に,“それらしく思われる”節見出しからさらに下位をたどって行き ,項見出しより下位の見出しでやっと見つかるのでは“見通し”がよいとは言えません.

製品解説では,「ユーザが求める情報」から見出しを構成するのが適当です.製品解説の総論部は「知識獲得」と「目的達成」をキーワードにして直列的 な(ユーザが必ずその順序を追って読む)章構成とし,各論部は 「問題解決」をキーワードにユーザが選択的に読める並列的な章構成にするのが適当です.
ユーザは「製品を使うのに必要な程度に知り(知識獲得),製品をまず使いたい(目的達成)」はずです.加えて,「自信の目的に応じて選択的に機能を利用したい(課題解決)」と考えます.
必要な場合には,冒頭で執筆者(メーカ)の視点で注意喚起を示します.

見出し構成は,文書作成の第1段階で検討するとともに,執筆がある程度進んだ段階で見直す必要があります.
最初に検討した見出し構成に固執すると,下位の見出し構成に無理が生じるおそれがあります.
製品を理解してもらうのに不要な負担をかけては,製品解説を読んでもらえません.とりわけ,「数的・量的な負担」を避け,読者の集中が続くページ数あるいは項目数で構成するのが適当です.「ページ数が多い項目の分割」あるいは「過渡に多い節を含む章の分割」などの調整が必要になる場合があります.
「ページ数が多いと読者は読んでくれない」のは,一面ではその通りです.しかし,内容の間引き・圧縮だけでは,必要な情報がもれ誤解につながるおそれがあります.
むしろ「“1項目のページ数”が多いと読んでくれない」のであって,「総ページ数が多いと読んでくれない」だけではありません.ページ数を単純に総量で評価すると誤った判断につながるおそれがあります.
既存の文書の見出し構成を参考にする場合も,当該の文書に応じた調整が必要です.とりわけ,上位の見出し(例:章見出し)をそのまま適用すると,当該の文書では章によってページ数が極端に偏る場合があります.
ある章の節が多すぎるのは,無理に少ない章構成を適用した結果かもしれません.また,ページ数が多い項見出しができるならば,節構成に無理がある可能性があります.

読者であるユーザは,文書が「さまざまな文書に共通のルール(誰もが標準と認める規範)に基づいて構成されていると理解して文書を読みます.それに反して,矛盾を含んだ変則的な見出し構成を用いると読者の誤解につながるおそれがあります.
機能仕様書では目的があって用いますが,「上位の見出しに対して下位が1項目」は一般に変則的な構成です.〔1〕の項目があって〔2〕がないのは事情を知らない読者には不自然にとれます.
また,一つの文書で見出し構成の基準が“あいまい”では読者に混乱を生じます.同じ見出しが一度目と二度目で使われ方が違うと,不自然なばかりか誤解につながるおそれもあります.

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