

見出し構成の基本
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見出しは段落の「主題(テーマ)」であり、見出し構成は主題の関係を表す「骨組み(フレームワーク)」です。見出し構成の検討は文書作成の出発点であり、「見出し構成の基本」と「文書目的に応じた見出しの構成手法」を把握しておくことは執筆者にとって有用です。
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見出しランクの考え方
見出しを不要に細分せず、3段階(章-節-項)を“基本にして”構成するのが適当です。この際、ページ数がさほど多くない文書(数十ページ程度)では2段階を基本にしつつ必要に応じて“+1”段階を用いる「2+1段階型」の見出しランクを薦めます。また、50ページ超の文書では3段階を基本にしつつ必要に応じて“+1”段階を用いる「3+1段階型」の見出しランクを薦めます。
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しばしば、数ページにもかかわらず3段階以上の見出しランクで文書を構成している例を見かけます。また、100ページ以上の文書では、5段階以上の見出しランクを用いている例もあります。不要に見出しを細分すると見出し構成が複雑になるばかりか、整合性を欠いた(同じ見出しランクで扱うべき主題が異なる見出しランクに位置付けられる)見出し構成に陥るおそれがあります。
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ページ数が1ページ程度の報告書では1段階を基本にしつつ必要に応じて“+1”段階を用いる「1+1段階型」の見出しランクを薦めます。
見出し名の考え方
見出しは「見出し番号」と「見出し名」で構成されます。見出し名は、見出しに続く「段落の主題」であるとともに、上位あるいは下位もしくは同じランクの見出しとの関係を表します。見出し名があらかじめ定められている定型文書は別として、不要に簡略化した見出し名を用いず「解説の対象となる語」と「対象を“受ける(その何を解説)”語」で構成した「修飾語+被修飾語」型(「−の−型」とも表記)の見出し名を基本にする手法を薦めます。
また、なによりも「単語(例:概要)」あるいは「複合語(例:製品構成)」の見出し名に比べ主題を具体的に示せるとともに、執筆者にとっても「何を要点にして段落をまとめるのか」が明確になります。
言わば、見出し名の検討段階で段落の要点の方向性が定まり、執筆も効率化します。

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