

「見出し+段落+“X”」の関係
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見出しは、段落の「主題(テーマ)」です。対して、段落は「主題への答え」です。また、段落に付随する図・表あるいは箇条書き、注記は、「答えの裏付けであり別視点の補足」です。
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見出しと段落の対応
技術文書、ビジネス文書を含め実務文書でもっとも大切なのは、「見出しに続く段落で明確な要点が述べられている」ことです。言い換えれば、主題である見出しに対し「読者が納得する答え」となる1文が当該の段落にあるか否かです。
技術文書は、「見出し」と「段落」で構成されていると言えます。第1部「見出し構成の考え方」で「見出しは段落の主題(テーマ)であり、見出し構成は主題の関係を表す骨組み(フレームワーク)」と述べました。段落は、この骨組みに取り付けられる基本要素です。対して、図・表、箇条書きあるいは注記などは、基本要素を補完する補足要素です。

陥りやすい事例−要点の不在−
「見出しに続く段落で明確な要点が述べられている」
を言い換えれば「見出しの直後には必ず段落があり、上位の見出しに対応した段落を省略して下位の見出しが続くことはない」となります。
たとえ、見出しの後に段落(あるいは1文)があっても、見出しを復唱して「・・・について解説します」では要点を述べたと言えません。
また、「・・・を以下に示します」と図・表あるいは箇条書きの導入文を述べただけも同様です。

段落と“X(箇条書き、図・表、注記)”の関係
注記は別として、図・表および箇条書きの「補足要素扱い」に異議を唱えられる方もおいでになるかもしれません。しかし、これらはいずれも要点を構成する「部分」の構造的あるいは視覚的表現です。
むしろ、主と従の関係とし、段落と補足要素が相互に補完しあう構成にするのが適当です。いかに、重要な事項を表している図や写真でもその意味が明確な文で示されていなければ片手落ちになります。

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