報告文書では,一部に執筆者と読者が同じ立場になる文があります.たとえば以下のような例があげられます.
当調査以降は,(私たちは)実施計画を検討することが必要となる. |
[注] 括弧書きの「(私たちは)」は文章では省略されていることを表しています(以下同じ).
この文章で,「当調査以降」は主語ではなく主題といえます.つまり「当調査以降のこと」についてこの文は述べています.一方.形式名詞「こと」で受けた「検討すること」は対象格(述語の対象となる語)といえます.述語を「必要となる」とするならば,その「動作の主体」は“執筆者と読者を含めた私たち”になります.つまり,主語が省略されて表されていますが,主題と対象格が明確なために違和感はありません.
報告文書で導き出された事実・結果が読者(報告を受ける人)にとっても客観的に認められるならば,上述のように主語の“私たち”を省略して表すことができます.ただし,その際には文の“主題”が明確でなければなりません.