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読者は,見出し(主題)の直後にその答え(要点)を求めています.段落の途中あるいは最後に要点があるよりも,最初に“置く”ほうが有効です.ところが,なんらかの要点を見いだせるならばともかく,読者が要点を考えなければならない段落では意味がありません.
「対象を“断片的”に表した」文をいくつか集めたような段落を見かけます.対象の属性あるいは動作を単なる「-は-だ」あるいは「-は-する」で表し,段落にまとめた例です.それぞれの文章が主題の一面にすぎず,要点を表しているとは言えません.
1文が「主題を構成する要素」にすぎず,全体の要点を知るには読者が いくつかの断片的な文章で構成された“連立方程式”から解を導く必要があります.
執筆者が「主題の本質(要点)にあえてせまろうとしない」場合あるいは「要点がうまくまとめられないために主題をさまざまな側面から叙述してすませた」 場合に「連立方程式」風の段落になる可能性があります.
たとえば, 「Aは(ある分類)の“一つ”です」,「Aは(ある動作)をします」,「(ある場合)は,(ある動作)をします」で構成された段落では読者に「Aは何か」を考えさせることになります.
主題の「分類」あるいは「定性的な動作」を列挙しても,それぞれは主題の一面にすぎません.「主題とは何か」を答えられるのは執筆者でしかないはずです.
「従来にない考え方」あるいは「製品の特徴」をはじめて解説するのならば,第1段階(言わば,下書き)では「主題をさまざまな側面から叙述した」文の集合であっても差し支えありません.ただし,加えて第2段階で 「集合」から自身が要点を導いて読者に提供するのが執筆者の役目であり知的生産です.
この際にこそ,前述した「キーワードの位置付けから文章を導く」手法が有効です.キーワードをいくつかの方向性から見直すとそこに解があるはずです.
当サイトの主旨(プレビュー版)により,解説の一部を省略しています.見直し方と見直し例は,出張開催セミナーで解説します.

前項の「連立方程式」風の段落に加え,段落に見出しの語が一度も出てこない段落も見かけます.見出し名が段落で出てこないのは 「主題と段落を的確に関連付けていない」と言えます.
しばしば,「見出し名が第1文の主語に相当するから省略する」という理由で段落に見出し名の語を使わない執筆者もいます.この省略は,辞書,用語集あるいは用語事典に限った例外です.通常の段落では省略しないのが原則です.
「あえて別な語を用いた」という理由も論外です.技術文書では技術用語,キーワードの表記は統一するのが原則です.
先にも述べたように,見出し名を「概要」にすると見出しと段落を関連付けることすらできません.明確な見出し名であってこそ読者に伝わる要点が述べられます.
形式的に見出し名の語を使うべきと申し上げるつもりはありません.見出し名の語(段落の主題)を文の主題にすれば,おのずから文章を導きやすくなります.
当サイトの主旨(プレビュー版)により,解説の一部を省略しています.見直し方と見直し例は,出張開催セミナーで解説します.

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