

能動態と受動態
能動態と受動態の使い分けの基本
しばしば能動態と受動態の使い分けを難しく考えてしまうことがあります.そこでまず原則を整理したいと思います.
先の項で技術文書の主語となるのは,「執筆者(報告者あるいは解説者)」,「読者(報告を受ける相手あるいはユーザ)」,「事実(製品,技術に関連した事項)・結果」さらには「技術文書自体」と述べました.前二者の執筆者あるいはユーザが主語になる宣言文,指示文では,それぞれ主語が「動作の主体」になるわけですから能動態で表すのが基本です.
これに対して「事実(製品,技術に関連した事項)・結果」が主語になる場合は,主語が動作・作用の「主体」であるか「対象」かによって能動態と受動態を使い分けなければなりません.
受動態が基本となる代表的な文例として「構成を解説する文」があげられます.「製品」は製作者によっていくつかの要素で構成されていますし,「文書」は執筆者によって構成されていますから,それぞれが主語になる場合は受動態が基本となります.
[出張開催形式セミナー「わかりやすい技術文書の作成手法<製品解説・技術解説編>」から抜粋]
複文の際の能動態と受動態
先の項で述べたように,「複文とは関係(主従関係が基本)がある節を1文に結びつけた文」のことです.複文を構成する節の主語がそれぞれ異なる場合がよくあります.技術文書では,製品の機能・操作を解説する際に,「操作(主語:ユーザ)」と「結果(主語:製品)」が従節−主節の関係になる複文をよく使います.
この場合も動作の主体が何であるかによって考えればとまどうことはありません.
(あなたが)電源を入れると,約10秒後に初期画面が表示されます. |
[出張開催形式セミナー「わかりやすい技術文書の作成手法<製品解説・技術解説編>」から抜粋]
ただし,注意しなければならない例もあります.たとえば,従節,主節の主語がともに動作・作用の主体になる場合は,当然どちらも能動態になります.
(あなたが)スナップ機能を使うと,(あなたは)オブジェクトをグリッドやガイドに合わせて正確に配置できます. |
また,読者(ユーザ)が主語にならない場合でも,機器やシステム自体が自発的に動作・作用の主体になる従節と主節で構成される場合には,従節と主節ともに能動態が適切といえます.
エラーが発生すると,システムは自動的に停止します. |
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