

慣用的な使い分けの考え方
常用漢字だがひらがな書きが慣用化しているものはひらがなで統一
「常用漢字を使う」という原則だけでは不自然になってしまう
「常用漢字だが,ひらがな書きが一般化した慣用表記」が使われているということについて例をあげてみましょう.漢字書きにするかひらがな書きにするかは別として実用文書でよく使う表現です.
いずれも常用漢字表にある漢字・音訓ですから誤りではありません.しかし,これらが文中にあるとかなり違和感をもたれるのではないでしょうか.ひらがな書きにすると以下のようになります.
筆者の想像ですがひらがな書きのほうが自然な印象を受ける人が多いと思います.
では次の例はどうでしょうか.先の例とよく似た印象をもたれるのではないでしょうか.
これらも常用漢字表にある漢字・音訓ですから誤りではありません.いずれも漢字書きされたりひらがな書きされたりしている例をよく見かけます.やはり漢字書きには違和感をもちます.
必ずしも「公用文の表記」に従う必要はない
ちなみに,上記の例のうち「更に,但し,及び,又は,若しくは,例えば」は「公用文における漢字使用等について(通知)」(昭和56年,内閣官房長官)で各行政機関が作成する公用文では漢字書きをすることを定めています.
公用文で漢字使用が定められていても,それは「各行政機関が作成する公用文」についてであり,民間の実用文書がそれにならう必要はありません.
何を漢字で書き,何をひらがなで書くのか:
その3 常用漢字だがひらがな書きが慣用化しているものはひらがなで統一
国語は使われる時代に応じて変化しています.これがある側面ではいわゆる「国語の乱れ」としてとらえられるものだと思います.
しかし,私たちがマニュアルのように実用目的でかつ社会性のある文書を作成する際には,「その時代の原則を基盤として,一定の範囲を越えず,社会的最大公約数の中で国語を使う」のがより現実的だと思います.
先に述べた「表外漢字,表外音訓は避ける」という原則に加えて,次のことが言えると思います.
常用漢字だがひらがな書きが慣用化しているものはひらがなで統一 |
以上のように述べてきましたが,まだしっくりとしない感想をおもちではないでしょうか.そこで次項以降では実用文書でよく使われる事例を分類して示しています.
これらの事例をご覧になればこれまで迷っていた用語,表現が表外漢字や表外音訓であることがご理解いただけると思います.また,慣用的な用法についてもその延長線上にあるものと考えてみてください.
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