技術文書での外来語の取扱い
先の項では外来語のかなかな表記の原則を述べましたが,「原則」だけでは十分とはいえません.技術文書で外来語を使う際には,原則に加えて慣用の使い方や専門分野のよる表記の違いについても考慮する必要があります.
外来語のカタカナ表記の指針である「外来語の表記」(平成3年 内閣告示第二号)では慣用による用法や分野ごとの違いを認めています.
技術文書での外来語の取扱い
―カタカナ表記をする前に―
技術文書にはカタカナで表記する専門用語や学術用語がよくでてきます.しかし,外来語をどのようにカタカナで表記するかを考える前に,一概にすべてをカタカナ書きにせず,原語で表記したほうが適切な場合があります.
ただしこれらの中には,先に述べたほど一般化していないものもあり,原語を添え書きするなどの補足が必要な場合がありますから,その分野での用語の使われ方を調べるようにしてください.
以下の例に照らして,どのような用語をカタカナ書きにするのが適当かをそれぞれの場合で考えてみてください.
分 類
表記の考えかた
例
日本語をあてたほうが適切な場合
漢字またはひらがな書き
通信機能
日本語として使用されている場合
カタカナ書き
インタフェース,ディスプレイ,サウンド機能,パソコン
日本語の用語になりきっていないもの
きわめて新しくまだ特定の分野でしか用いられていない用語
固有名称
カタカナ書きの後ろに括弧付きで言語を表記
頻出する場合は「節」ごとに最初のみ言語を表記
ピア・トゥ・ピア(「peer to peer)
あるいは
peer to peer(ピア・トゥ・ピア)
外国文字だけで使用されるもの
きわめて新しくまだ特定の分野でしか用いられていない用語
固有名称
原語で表記
Bluetooth
外国語の略語
略語表記が一般化しているもの
必要に応じ括弧付きで言語を付記
(頻出する場合は「節」ごとに最初のみ原語語を表記)
CD-ROM
MO(光磁気記憶装置)
WWW(world wide web)
*Bluetoothはエリクソン社の商標です.
技術文書での外来語の取扱い
―注意が必要なこと―
先に述べた,外来語のかなかな表記の原則に加えて注意しなければならないことは次の3点のように思います.
長音の扱い方
コンピュータ
なのか
コンピューター
なのか
わかち書きの中点の使い方
オペレーティングシステム
なのか
オペレーティング・システム
なのか
専門分野のよる表記の違い
エネルギ
(機械工学分野)なのか
エネルギー
(物理分野)なのか
次項以降でそれぞれについて解説します.
次ページに進む
(ボタンをクリックしてください)
Copyright:Takaaki-YAMANOUCHI/1995-2003
山之内孝明/(有)山之内総合研究所
Takaaki Yamanouchi/ Yamanouchi Research Institute,Ltd.