何を用字用語の基準にするか
用字用語は何を基準にしたらよいのだろうか
適切な用字用語を使うというならばその基準が必要です.現在の国語における用字用語の基準となるのは,内閣から告示・訓令された「常用漢字表」であり「現代かなづかい」,「送り仮名の付け方」です.
外来語については「外来語の表記」(平成3年 内閣告示第二号)があります.
使用する漢字
かな使い
送り仮名
常用漢字表
(昭和56年内閣告示・訓令)
現代かなづかい
(昭和61年内閣告示・訓令)
送り仮名の付け方
(昭和56年内閣告示・訓令 一部改正)
現代の国語を書き表すための漢字使用(および音訓使用)の目安
(1945字)
現代国語の口語文を書き表すための文体
新:ゆう(言う) 旧:いう,いふ,ゆふ
一般の社会において国語を書き表すための送り仮名の付け方
(活用のある語,活用のない語の通則など)
これらはそれぞれ使用する漢字,かな使い,送り仮名の原則をまとめたものです.しかし,原則のままでは実際の文章を書く際に具体的な用法を判断しづらかったりします.また,日本語の多様性から原則だけでは判断できない用例が数多くあります.
そこでこれらの規則に沿って,官庁や役所で作成する公用文のための「公用文作成要領」,「用字用語例」などや,学術や報道分野など公共性の高い分野で使われる用語集が作られています.
「用字用語集」を使う
用語集や使われる分野によって用法がまちまちでは何を基準にすればよいのかさらにわかりにくくなってしまいます.そこで一つの提案があります.
文書を作成する際の用字用語のよりどころとして「
用字用語集
」を使う
「用字用語集」とは,「常用漢字表」,「現代かなづかい」,「送り仮名の付け方」をベースに,公用文の用例集,用語集とともに学術用語集,新聞用語集,放送用語集などの公共性が高い分野の用語集から現代の国語の基準として推奨される用字と用語の表記法と用例を示したものです.
用字用語集の多くは国語学者の方々が編さんに携わっています.用字用語集に示されている表記法にはきちんとした国語学的裏付けがあり,わかりやすい用例とともに実用的に構成されています.
用字用語集は,単に表記法と用例を示すだけでなく,常用漢字表にある漢字(あるいは音訓)なのか,どの用語集ではどのような使われ方をしているかなどその根拠を示しています.また,許容される使い方や例外も示しています.
「用字用語集」は出版社からいくつも発行されています.基準となるところは同じですので発行年が新しく収録用語集や用例が多く,使われ方の根拠が明確なものを選ぶことをお勧めします.
参考文献
野村雅昭 編:「東京堂 用字用語辞典」,東京堂出版,1981
昭和56年の常用漢字施行に伴い,国語審議会の元委員らが関わって新版が編集された用語辞典の定番.常に参照する必要はないが,用字用語に迷ったときのよりどころとしてお薦めできます.
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